内容紹介
遥彦の元に逃げ込んで来たパウル。パウルは男装した少女で本当の名前は清音と言った。大使館付き武官として日本に駐在していたドイツ青年と日本女性との間に産まれたハーフだったのだ。清音の母は、ただ1度の恋のために家族を捨て、国を捨て、海を渡った。だが幸福は束の間だった。恋人が母と乳飲み子だった清音を残して死んでしまったのだ。束の間の幸福の想い出の中に生きる事しかできなくなった母は死を選んだ。天涯孤独となった清音は売春宿から逃れヘルベルトにかくまわれていたのだ。何故私はこの時、私だけがこの哀れな少女を救ってやれると思ってしまったのだろうか。出国の準備を進める清音に売春組織の手が迫り、そして悲劇が訪れる…!?
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