内容紹介
月白中学1年4組に転校してきたのは、風の中から、ふらりと現れたような不思議な少年、「むじな」クン。このお話は、「むじな」こと無品誠とクラスメイトたちの友情物語。ある深い霧の日、1年4組の永森樹美子(ながもり きみこ)は通学途中に不思議な老人と出会った。川沿いの道、橋のたもとで霧の中から現れた影にぶつかって転んだ樹美子を優しく助け起こし、再び霧の中へ消えていった老人を、樹美子は小学校の頃に噂になっていた、霧の中から幸運を運んで来る「フォッグさん」ではないかと思い、クラスの皆に話をする。盛り上がるクラスの中で、一番にこの話に飛び付いて来たのは意外にも「コンピューター並の論理思考」と評される遠藤聖代(えんどう まさよ)だった。翌朝、橋のたもとでフォッグさんを待つ聖代の元に現れるむじな。聖代はむじなに昔フォッグさんに会った時の事をポツポツと話し始めたのだった… そんな聖代の話を受け、むじなが取った行動は…? その他、久しぶりの大雪にはしゃぐ1年4組の 生徒たち。そんな中で、島やガールフレンドの塩沢 楠は雪の夜の意外な一面を知る… 「雪の声」、学校内で落書き騒ぎがあり、3年生の磯田が犯人として名乗り出るが、むじなは誰かを庇っていると確信して… 「この学校を忘れない」、そして磯田たちの卒業式の風景を淡々と描く「飛び立つために」など。等身大の中学生たちのハートフルなストーリーで圧倒的な支持と共感を得た「すくらっぷ・ブック」から16年、小山田いくが再び中学生たちを描く学園ドラマの名作! みんなをホッとさせるニコニコ顔で心のオブラートを溶かし、友情を紡ぎ出してゆきます…。小山田いく先生の当時の単行本コメント 『友達にも、いろんな人がいるでしょう? 何年もつきあっているのに、なぜか印象の薄い人… 今日初めて会ったのに、10年も前から知っているように思える人。きっとむじなは、いろんな人を知りたいんです。だから今日も、誰かにきっと、声をかけています。』
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