内容紹介
世界規模で発生した悪霊の被害は、サン・フルーヴ帝都にも拡大していた。神殿や大神官、守護神、神術、そして多くの代償を強いる禁術――そのすべてが悪霊に立ち向かうために必要なものだったと痛感したファルマは、今一度自分がこの世界でなすべきことを模索する。そして、女帝やエレンたちに降りかかった“呪い”を解くべく、ファルマは現代の医学知識を用いながら研究室の学生エメリッヒらと共に研究を進めた結果、その意外な正体を見つけ出した。大切な人たちを救う治療方針が見えて安堵するファルマだったが、一人の学生を襲った病が、彼の運命を変えていくことになる。「覚えられないの……。ここ最近、何も覚えられなくなってしまったんです!」診眼は、ファルマの持つ現代の医薬知識でも助からないと無情にも告げる。諦めきれないファルマが、その学生の命を救うために取った行動とは――。
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