内容紹介
知勇ともに優れた神童・ロルフは、十五歳の時に誰もが神から授かるはずの魔力を授からなかった。彼の恵まれた人生は一転、男爵家を廃嫡、さらには幼馴染のエミリーとの婚約までも破棄され、騎士団では“煤まみれ”と罵られる地獄の日々が始まる。しかし、それでもロルフは悲観せず、ただひたすら剣を振り続けた。そうして磨き上げた剣技と膨大な知識、そして不屈の精神によって、彼は襲い掛かる様々な苦難を乗り越えていく──!騎士とは何か。正しさとは何か。守るべきものとは何か。そして彼がやがて行き着く未来とは──。神に棄てられた男の峻烈な生き様を描く、壮大な物語がいま始まる。
レビュー1
5/52025/08/09 柿崎はやお
なろう発の小説としては別格の面白さを誇る傑作。 異世界チートも魔王もない。だが恐ろしい、おぞましい。何が? 異端者を迫害し排除する思考と行動を躊躇いなく選択し、さらにそのことに疑問を抱かず愉悦すら覚える人間社会がだ。 読み進める内に読者は思う。『なんかおかしくね?』と。 主人公はそんな歪んだ社会で翻弄されながら、己が信念を貫く傑物だ。彼が切り開く未来が明るい時代であることを望む。