内容紹介
「いい話には裏があるんだ。本気で他人のこと思える人間なんていやしない――」女手一つで育ててくれた母の実感のこもった最期の言葉が今も私を縛っている…幼い頃に父は蒸発。母は水商売で、文字通りカラダを資本に私を育ててくれた。夜、薄いふすま1枚を隔てて聞こえてくる母と知らないオトコの声に耳をふさぎ、息を殺して、周りの目におびえながら暮らしてきた。先天的なのか後天的なのか…私の性格はほの暗いものとなり…騒がしく笑いの絶えない家庭を目の前にすると眩しく委縮してしまう――例えば、夫の実家なんか、その典型だ。年に数回、帰省するだけでも憂鬱だったのだけれど、相談もなしに夫が同居を決めてしまい!?賑やかな家族の中で、私だけがひきつった笑いを浮かべて、今日も孤独に生きています。
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