内容紹介
世は諸行無常、新たな朝廷が建ち、生へのパワーがみなぎっていた。対する旧時代の宮廷の者は死期を迎えようとし、将軍職第一位の榊 蒼は旧時代の朝廷の人間を一掃する任についていた。冷宮にたどり着いた蒼は死を求めた弓月胡雪に出会う。それまで死に向かっていた胡雪は、突然生きたいと膝をついて命乞いをしてきた。蒼は女心というのはこうも深いものなのだろうかと心に刻んだ。彼はかつて後宮に潜入して暗殺を遂行していた際に胡雪に出会い、彼女の刺繍針で賊を仕留めたことがあった。その時に胡雪に新たな身分を与えたいという考えが浮かんだことがあったのだ。胡雪は妹を探したい一心で蒼にひざまづくが……。