内容紹介
「離縁されるのはこれで最後よ」 3度目の離縁を経験したひとりぼっちの少女カメリア。自分の力で生きていく覚悟を決め、有名な紅茶庭園に就職するが…なぜか貴族の養子になったような待遇を受ける。 「なぜ私をお嬢様と呼ぶのだろう」 「こんな広いお部屋をひとりで使えと?」 「どうして私が、このような高価なドレスを着るのです?」 爵位も出身も謎に包まれたガーデンの主人、ブランドン・ウォザリンには当然の待遇であると言われる。 「全てあなたのために用意しました。あなたにはこれらを享受する資格があるのです。」 あからさまな特別待遇を受けながら就職(?)したカメリア。そこで特別な才能を発揮する。 1杯の紅茶で、オペラスター、浮気者の伯爵、隣国の王子、さらには本来ならお目にかかれない高貴なお方までも魅了するが…。 一方、親切な慈善事業家だと思っていたブランドンに、隠している秘密があることを知ったカメリア。 「私の言葉が真実かどうか、当ててみてください」 彼の鋭い瞳から、今まで見たことないほど真剣な眼差しを感じた。 「私にはあなたが必要なのです。これも嘘だと思いますか?」 熱く苦しそうな息遣いが彼女に近づいていく…もうどこにも逃げられない。