内容紹介
竜殺しの英雄、シギベルト率いるノーヴェルラント帝国軍。伝説の島「エデン」の攻略に挑む彼らは、島を護る竜の返り討ちに遭い、幾度も殲滅された。エデンの海岸に取り残され、偶然か必然か――生きのびたシギベルトの娘ブリュンヒルド。竜は幼い彼女を救い、娘のように育てた。一人と一匹は、愛し、愛された。しかし十三年後、シギベルトの放つ大砲は遂に竜の命を奪い、英雄の娘ブリュンヒルドをも帝国に「奪還」した。『神の国で再会したければ、他人を憎んではならないよ。』 復讐に燃えるブリュンヒルドの胸に去来するのは、正しさと赦しを望んだ竜の教え。従うべくは、愛した人の言葉か、滾り続ける愛そのものか――。第28回電撃小説大賞《銀賞》受賞の本格ファンタジー、ここに開幕!
レビュー1
4/52023/12/31 竜騰虎闘
竜と人の物語をドラマチックに、ハラハラしながら読ませていただきました。楽園が一瞬で悲劇へ、その後の苦悩と葛藤と怒涛の展開に時間がたつのを忘れてしまいました。主人公が語る言葉に感情が読む側に伝わってくること。その感情こそがこのシリーズの底流にながれる大きなテーマにもなっていると感じました。でもこの作品は序章なんでしょうね、次の作品、そしてその次と私達を驚かせてくれることでしょう。