内容紹介
「あなたどういう躾けを受けてきたの?これじゃお嫁さんをもらった意味がないじゃない」口うるさい義母が過干渉すぎて鬱陶しい。人の生活に関わってこないでよ―― 私・光代と夫との間に子どもは無し。あるのは、夫の母親である勝江58歳のアポなし訪問ばかり…。古臭い価値観を押し付けてきて、部屋が汚いやら妻の恥やら小言を聞かされ続ける日々。確かに部屋は人を招き入れられるような状態ではないし、褒められた主婦ではないかもしれないけど…。それに…お酒を煽る父、内職漬けの母…会話のないうす暗い部屋の中、兄弟と身を寄せて過ごす幼少期の私。思い出したくもないはずの記憶に縛られているのかもしれなくて―― そんな心をすり減らすある日、私の前に『カノジョ』は現れた。