内容紹介
かつて滅びた死者の街――人里離れたこの地に一人の生きた子供、ウィルがいた。少年を育てるのは三人の不死者。豪快な骸骨の剣士のブラッド。淑やかな神官ミイラのマリー。偏屈な魔法使いの幽霊のガス。彼ら三人に教えを受け、愛を注がれ少年は育てられる。そしていつしか少年は一つの疑念を抱く。「……この『僕』って、何者なんだ?」ウィルにより解き明かされる最果ての街に秘められた不死者たちの抱える謎。善なる神々の愛と慈悲。悪なる神々の偏執と狂気。「約束だ。ちょいと長いが、語ってやる。多くの英雄と俺たちの死の……、そして、お前がここで育った話でもある」――その全てを知る時、少年は聖騎士への道を歩みだす。¶
レビュー1
5/52020/03/23 くさいさん
転生ものですが、ロードス島戦記のような骨太な物語です。あとがきを見て、作者がソードワールドなどのテーブルトークRPGのファンと知って納得しました。とても設定(ゲームでいうルール)がしっかりしているので、チート的な展開はあまりありません。ですが、主人公が前世の引きこもり孤独死から、ちゃんと生きることを決意して一歩一歩成長していくさまは、読みごたえがあり、爽やかな読後感かありました。おすすめです。