内容紹介
東京藝大に入り、東大を出ても根付く劣等感。その原因はパパとママの…私たち家族の成り立ちにあった。優等生に見られていた私は、実は家では不安定な母と、床上60cm以上のゴミが積まれた汚部屋で暮らしていた。なぜうちは汚部屋になったのか。なぜ私は東京藝大を辞めさせられてまで、東大に入る意味があったのか。なぜ父は消えたのか――。大好きだったパパは、実は卑怯な男だった。私を支配していたママは、実はひとりぼっちだった。そして私は―― 苦しさの原因を自分の責任として背負わされた子どもだった。目次 episode01 普通じゃないことに気付かれない優等生 episode02 汚部屋で育った私の常識 episode03 パパが死んだら私も死ぬ episode04 ママが獲った賞 episode05 嫌と言えないかわりに episode06 学歴に縛られる私たち episode07 見過ごされる子ども episode08 一生ママから解放されない episode09 家が汚部屋になった理由 episode10 真実のヒントはすぐそこに episode11 パパの死 episode12 パパの戸籍に私はいない episode13 家を出る episode14 卑怯なパパ episode15 ひとりぼっちのママ last episode バイバイ
レビュー7
冷静な自己分析描写のおかげで重い感情になりすぎることなく読めました。クリニカさんの心情の変化や、出した結論が自分と似ていて、その結論でもいいんだよねって勇気がもらえました。社会は頼り頼られる関係…まだ下手くそですが、少しずつでいいからバランスを取って、一人の人間として人生を楽しくしていきたいと思いました。うちの母は掃除し過ぎるので、掃除・片付けのやり過ぎ・やらなさ過ぎのバランスも参考になりました。
前回作はただ衝撃で「で、続きは?」と気にもなったけど、今回作は結論に至った思考の過程がわかりやすく書かれていて、読んだ側も腑に落ちた感じになれた。とても良かった。 毒親を捨てた、捨てられない人に、自身が生きていくことを優先するための考え方の指針になりそう。母親が追って来なかった、追って来れなかった、主人公がゴミ場所に戻らなかったのが、とても救いになる。