内容紹介
これで性交をする「女」にも、子どもを産む「母」にもならなくてよいのだ。自分で自分を縛り付けるような結婚生活が終わったとき、愛子の胸をよぎったのはそんな安堵にも似た気持ちだった。東日本大震災、離婚、成人後も続いた父の性暴力と母の懺悔――。今はもう世界が滅びればいいとは思わない。ただ、この怒りが消えることを祈りながら生き延びる。すべてを憎むしかなかったある「キレる17歳」世代のサバイバル物語(ストーリー)、最終巻。【電子版特典】渡辺ペコ×ふみふみこ特別対談「本当は憎しみと違うものを探していた」収録! 「家族」の物語を描く二人が漫画を通して追いかけるもの――。 ※当電子版特典は文芸総合誌『yom yom vol.59(2019年12月号)』掲載の特別対談を再録したものです。
レビュー44
5/52024/09/24 ミートソース
タイトルの秀逸さ 当事者の過酷さは計り知れない 素晴らしい作品をありがとうございます。
3/52024/09/07 えすえす
この作品が力作であることも、作者が命を削って描いたことも全て承知の上で、それでも好きになれなかった。 諸悪の根源と言える父親には一矢報いることもできず、一時でも配偶者となった男性に対しては自身の過去を見せていない。この著者の世界の中で、男性は加害者か役立たずかのどちらかでしかないと決めつけたまま完結させてしまったことが残念でならない。それは、世界の半分しか描いていないということではないのかと。